車窓を眺めるつもりで
この図を見ながら、たとえば新大阪行きの「のぞみ」に乗って小田原駅の手前から車窓を眺めるつもりで説明してみよう。
東京駅停車場中心から74キロ635メートル地点に架かる長さ422メートルの酒匂(さかわ)川橋梁を渡ると、池上高架橋を過ぎつつ半径1万8000メートルでごく緩く左カーブしながら伊豆箱根鉄道を跨ぐあたりで勾配は水平から10パーミル(1000メートル進んで10メートルの高低差)の上りに転じ、またすぐ水平となって緑町高架橋、谷津高架橋で小田急を跨ぎ、76キロ650メートル地点の小田原駅を高速で通過する。
駅構内の手前から半径3000メートルで左カーブしながら小田原高架橋と荻窪街道架道橋を過ぎれば直線の小峰トンネル(772メートル)で小田原城の下を突き進み、ほどなく2パーミルの上り勾配となる。
トンネルを出れば6パーミルで上りながら半径3000メートルで左カーブしつつ第1、第2板橋高架橋で箱根登山鉄道を跨いで早川橋梁(長さ123メートル)を渡り……という具合である。
この図の下部には線路と交差する道路や鉄道、河川などが簡単に示された平面略図も添えられているので、これと縦断面図を見較べながら車窓を眺めるのは興味深い。