他者が自分をどう扱うかにばかり意識が向いても

私は彼に、それなりの成果を出しても結果が積みあがらない若手の話をした。正解を探るようなパフォーマンスばかりするから、説得力に欠ける。それが積みあがらない原因なのだが、なぜそんな素振りをするのか疑問だった。

彼は言った。「やりたいことがわからないからですかね。指示されたことだけ真面目にやっていると、そうなっちゃう」。なるほど。

不満だらけの青年も、結果が積みあがらない青年も、他者が自分をどう扱うかにばかり意識が向いている。それが人間のサガだとも思うが、残念ながら、そのやり方では前に進めない。しかも、会社はそれを教えてくれない。だって、扱いづらくなっちゃうもの。

束の間のモチベーションなら、洒落たオフィスや心理学風のアプローチで外部からもたらすことはできる。しかし、持続性のあるそれは、自分のなかからしか湧き上がらない。結局は、他者の評価が気にならなくなるほどやりたいことを見つけ、やるしかないのだ。

さもないと、かりそめのモチベーションアップ施策で、企業にとって働かせやすいだけの人間になってしまうから。


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年齢を重ねただけで、誰もがしなやかな大人の女になれるわけじゃない。思ってた未来とは違うけど、これはこれで、いい感じ。「私の私による私のためのオバさん宣言」「ありもの恨み」……疲れた心にじんわりしみるエッセイ66篇