「他力本願」という言葉の意味

「他力本願」という言葉もあります。僕たちは他力を「他人の力」とそのまま受け取り、「自力で何でもする」のが素晴らしいと考えています。

でもこれは大間違い。「他力を頼む人が往生できる」というのです。

『ちょうどいいわがまま』(著:鎌田實/かんき出版)

この「自力」「他力」という言葉がポイント。自分の力で道を選べるのが「自力」の人。「他力」は「がんばってもどうにもならないことがある」のを知って周りの力を信じたり、育てたり。これがカマタ流「他力本願」。

親鸞は、他力を頼まず自力で何とかしようとする考え方は阿弥陀(あみだ)の心に沿っていないといいます。

それは「阿弥陀仏を信心する心が欠けている」からです。どうにもならないことなのだから、自力だけで切り開こうとするのは間違い。それを捨てて「阿弥陀仏という大きな力にすがる人だけが往生を遂げることができる」というのです。

浄土真宗の信徒ではないので、僕は阿弥陀仏にはすがりません。それでも、この世には自分の力だけではどうにもならない“大きな力”があることはよくわかります。それを信じるほうが生きやすくなることは間違いありません。

人間の自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、交感神経が刺激されるとリンパ球が減って感染症にかかりやすくなり、NK(ナチュラルキラー)細胞が減って、がんのリスクが高まります。