現実的に考える時には「人」「物」「お金」「夢」の観点から
「もしも」をより現実的に考える時にはぜひ、「人」「物(自宅、施設など過ごす場所や相談できる場所)」「お金」「夢」の四つの観点で整理してみていただけたらと思います。
人は、「いざという時、誰がどれだけ動けるのか」、物は、「過ごすのに適した場所や困った時に相談できる場所があるかどうか」、お金は「使ってよいお金が誰にどれくらいあるか」、夢は「どう過ごしたいか」ということです。
いくら「自分はこんな風に過ごしたい」という夢があっても、現実的にそれを叶えるには、人・物・お金の要素も欠かせません。
もちろん、これらすべてが揃わないと、希望する過ごし方ができないというわけではありません。しかし「何があって、何が足りないのか」を知った上で選択肢を考えたほうが、いざという時に「こんなはずじゃなかった」ということになりづらいと思います。
そのため、人・物・お金の3点については、元気なうちから整理しておきましょう。その上で、「どう過ごしたいか」という夢について考えてほしいと思います。
最期の過ごし方にどんな選択肢があるのかを知っていれば、「私だったらこれを選びたい」と冷静に考えることができると思います。決断しなくてはならない瞬間が差し迫ってからではなく、少しでも気持ちや時間に余裕がある時に考えられたら、きっといざという時の判断の助けになるはずです。最期だからこそ、自分らしく過ごすためにも、ぜひ早いうちから考えてみましょう。
※本稿は、『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』(講談社)の一部を再編集したものです。
『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』(著:中村明澄/講談社)
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