サラ金のブラックリストに載った夫
そんな生活でも夫を信じていたなんて、本当に大バカ者だと思う。金がない原因はすべて彼のギャンブルだったのだから。夫は毎晩残業だと言っては、パチンコに通い詰めていた。何年経っても振り込まれる給料は11万のまま。夫には別の通帳があったのだ。おかしいと思わなかった自分もどうかしている。
27歳で次男を産んだ日、夫はサラ金のブラックリストに載った。会社にバレたらクビになるかもしれないと泣きついてきて、事の次第が発覚。2人の子どもを抱える今、職を失わせるわけにはいかない。長男のための学資保険を解約し、必死で貯めたへそくりとともに渡してしまった。
しかし、夫の両親は借金を知っているのだろうか。今後のことを相談するため、家族4人で夫の実家へ向かったのだが、そこで悲劇が起こる――。
私たちの乗った軽自動車が、大型トラックと正面衝突したのだ。私の腕の中でスヤスヤ眠っていた次男は、ぶつかった衝撃で即死。それから何度、自分を責めたかわからない。たった生後70日で死なせてしまった。私が夫の親に助けてほしいなどと望まなければ。
子どもを亡くして落ち込む私を心配した父が、60坪の土地を購入してくれた。新しい家は自分たちの力で建ててみろ、力を合わせて頑張ることが家族にとっての再スタートになるだろうという配慮だった。