豊臣家の家臣の石高が高かった理由とは?(写真提供:写真AC)

松本潤さん演じる徳川家康がいかに戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのかを古沢良太さんの脚本で巧みに描くNHK大河ドラマ『どうする家康』(総合、日曜午後8時ほか)。第35回では、秀吉(ムロツヨシさん)は母・仲(高畑淳子さん)を、家康の上洛と引き換えに人質として岡崎へ送る。秀吉は家康を歓待する中、諸大名の前で一芝居打ってくれと頼みこみ――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第53回は「豊臣家臣の石高が高かったワケ」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

他分野の研究を学ぶのは面白い

ぼくは3年ほど、東大内の情報学環という研究・教育部局にお世話になりました。そこで改めて知ったのは、他分野の研究を学ぶことは面白い!でした。

情報工学や教育工学など、「いま」を相手にする学問は、伝統的な(あるいは旧弊な、でも可)学問世界にどっぷりと浸っていたぼくにはとても新鮮だったのです。

そんなぼくの最近の愛読書は入山章栄先生の『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)です。

へえ、こういう学問があるんだ、という驚きがまずある。そして世界に冠たるノーベル賞を獲得したような理論が次々に紹介されているので、そうか、いま社会が欲しているのはこういう考え方なのだな、との気づきを得られる。

日本史学が世界に評価されることなど、まあ夢のまた夢ですから、すごいな、おもしろいな、のオンパレードです。