外様大名は一種のアウトソーシング?
その中に、「取引費用理論」が紹介されていました(第7章)。
具体例として、「アウトソーシングをどう捉えるか」いうことが論じられていたのですが、ぼくはこれを読んだときに「あれ? 大名を『領地を統治する経営体』と定義するなら、外様大名って一種のアウトソーシングとして解釈できないかな」と思ったんです。
たとえば德川幕府の場合、本当は日本全土を譜代大名で埋め尽くしたい。その方が反乱が起きるリスクが低下するからです。
でも1600年の時点でそれはとても不可能だった。だから大きな力を持つ外様大名に広めの領土を持たせ(でも列島の中心部には置かない)、日本国の経営に協力してもらう。
「全国を平和に統治する」というのが幕府の命題だとすると、外様への利益供与は実は業務委託でもあり、一種のアウトソーシングなのではないか。