浅井三姉妹の像。福井県福井市、北ノ庄城(写真提供:写真AC)

松本潤さん演じる徳川家康がいかに戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのかを古沢良太さんの脚本で巧みに描くNHK大河ドラマ『どうする家康』(総合、日曜午後8時ほか)。第36回では真田昌幸(佐藤浩市さん)から、北条に領地を渡す代わりに徳川の姫が欲しいと要求された家康。そこで本多忠勝(平八郎。山田裕貴さん)の娘・稲(鳴海唯さん)を養女にしようと画策するも、父娘ともに猛反対し――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。今回は「女性の名前」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

於愛の方が亡くなって残念だけれど

前回、広瀬アリスさん演じる於愛の方が亡くなりました。

ユーモラスで笑顔を絶やさない、その裏に秘められた複雑な感情についても描かれましたが、ドラマにあたたかさをもたらすような存在だっただけに、残念です。

でも悲しんでばかりもいられない。

というのも、ぼくには「いよいよ、あの人が登場するだろう」と心待ちにしていた女性がいるのです。それが阿茶の局(あちゃのつぼね)。

彼女は於愛に代わって秀忠を養育し、家康の後半生、ほぼ正室の扱いを受けたたいへんな才女。今回のドラマではまだ登場していないながら、松本若菜さんが演じることが発表されています。