エリザベス女王陛下からいただいたお言葉
終演後は大拍手。赤いじゅうたんが敷きつめられた舞台上で、ヌレエフが「ヨーコは日本から来てくれたんだ」と言ってくださいました。
エリザベス女王からは、「遠いところから来てくれてありがとう」とお言葉をいただきました。
エリザベス女王がお亡くなりになった今、温かいお言葉をいただいたことが、かけがえのない素晴らしいことだったとあらためて思っています。
その後、ヌレエフは何度も声をかけてくださり、200回近くも一緒に踊ることになります。彼のバレエに対するひたむきさや思いの強さ、この時期に多くを学ばせていただいたことは、私の人生の大変大きな宝物です。
一息つくと、パリ経由で北京へ。中国の皆さんと松山バレエ団が少人数で交流する公演に参加しました。
※本稿は、『平和と美の使者として 森下洋子自伝』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『平和と美の使者として 森下洋子自伝』(著:森下洋子/中央公論新社)
舞踊生活70年を超えてなお輝き続けているバレリーナ・森下洋子。広島に生まれたこと、そしてバレエとの出合いは必然だった。読売新聞連載「時代の証言者」に加筆のうえ単行本化。