指先一つで、最短でたどり着ける時代

こうした変化は、インターネットが普及し、何でも指先一つで簡単に済ませられるようになったことと不可分な関係にあるように思います。

いまや気になった曲があれば、すぐに「ググッて」、お店に行かずともその場で購入することができます。LAZYのミッシェルが、いつの間にかKAGEになっていたという事実にたどり着くためには、かつてはレコード会社やテレビ局に電話をするくらいしか方法がありませんでした。

でも今なら、スマホで検索すればすぐに答えが出る。YouTubeを開けば、気になる歌へ最短でたどり着くことができる。もはや「アニソンだから買いにくい」なんて、意識を持つ人もいないでしょう。

50代以上、つまり俺たちの世代は、俺も含め「気が付いたらアニソンを歌うようになっていた」というタイプのシンガーが多いです。しかし最近になって音楽業界に飛び込んできた若い人たちは、将来の夢として最初から「アニソンシンガー」を挙げ、最短距離で歩もうとしています。

アニソンシンガーは、まさに破竹の勢いで活躍を見せるようになりました。

※本稿は、『ゴールをぶっ壊せ』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


ゴールをぶっ壊せ』(著:影山ヒロノブ/中央公論新社)

16歳でデビューしたバンドは4年で解散。そこからノーギャラライブや15年にわたるアルバイト生活を経て、今頂に立つ、アニソン界のパイオニア・影山ヒロノブ。苦難の先で出会った「聖闘士神話~ソルジャー・ドリーム~」「CHA-LA HEAD-CHA-LA」、アニソンレジェンド、そしてJAM Project。なぜ諦めなかったのか? なぜファンは、そして世界は彼を愛するのか? だからもっと熱くなれ! その手で夢をつかみとれ!