初体験でも「この仕事を続けよう!」と思える魅力が介護にはあります
各種ボディコンテストの全国大会に出場して上位入賞を狙えるレベルであることを基準に採用したフィットネス実業団の選手たちは、全員が介護初体験でした。仕事としてもそうですし、介護が必要な家族もいなかったのです。
1日8時間の労働時間のうち、6時間は介護の現場で戦力として働いてもらい、2時間は仕事としてトレーニングに励んでもらうという待遇のため、彼らには、入社する前にインターンとして介護の現場仕事を経験してもらいました。
せっかく入社したのに、「こんなはずではなかった」とか、「俺にはやっぱ無理だわ」などと失望して辞められるより、事前に介護という仕事がどんなものかをわかっておいた方が、双方にとって良いと考えたからです。
入社を正式に決める前、訪問介護と施設介護を1日ずつ体験してもらってから、彼らにじっくり話を聞いてみました。
すると「何もかもが初体験で、何をするにも手際が悪くて下手なのに、利用者の家族から“今日1日、本当にありがとう”と何度も感謝されました」とか、「初対面なのに“あなた、次はいつ来てくれるの?”と尋ねられてビックリしました」といった感想が返ってきました。
若い男性というだけでも珍しいのに、何事も軽々とこなす頼り甲斐満点のマッチョたちが介護を担ってくれるのですから、利用者とその家族には感謝の気持ちが湧いてくるでしょうし、「またぜひ来てほしい!」と願うことでしょう。
インターン体験後、「介護、俺にはやっぱ無理っす」と言い出すマッチョは、誰一人いませんでした。
全員が彼らなりにやりがいと楽しさを感じてくれたようで、採用を決めた5人全員が予定通り入社を決めました。個人的な事情でパート社員からスタートした選手もいましたが、それ以外は全員が正社員での採用です。