(写真提供:PhotoAC)
大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。第五話は「告白」。道長(柄本佑さん)が右大臣家の子息で、6年前に母を手にかけた道兼(玉置玲央さん)の弟でもあることを知ったまひろ(吉高由里子さん)はショックを受けて寝込む。そこでいと(信川清順さん)はおはらいを試みて――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。今回は「和歌」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

平安時代の恋愛ルール

すでに男女を巡るやり取りがちらほらと展開、過激な演出も加わり、お茶の間をザワつかせている『光る君へ』ですが、メインキャラクターである紫式部と藤原道長が大人になっていくこれから、その周囲も含めて、より恋愛模様がしっかりと描かれていくことになるでしょう。

その意味でカギとなるのが「和歌」の存在です。

この時代の恋愛の実際を言うとですね、和歌のやりとりなんです。

「すてきな女性がいるらしいぞ」という評判を聞きつけたら、まめな男(まめ、はプラス要素。男はこれが大切!)はとりあえず和歌を送ります。