2023年に厚生労働省が発表した「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」によると、人生の最終段階における医療・ケアについて、半数以上の人が「考えたことがある」と回答したそう。そのようななか今回は、お金や住まいに困らず、将来すんなり逝くための「ダンドリ」について専門家に解説していただきました。医師の奥真也先生いわく「お金を準備するためにはいくら貯めるかの目安があったほうがいい」そうで――。
超長寿時代を生きるため「マイQOL」を知る
近い将来実現するかもしれない高額医療や最先端テクノロジーをどこまで自分の健康やQOL維持のツールに含めるか。私たちはそれを吟味し、それに合わせてお金を準備することが必要になります。
お金を準備するためには「いくら貯めるか」の目安があったほうがいいでしょう。それを知るために、まずは自分にとって大切なQOL、「マイQOL」が何なのかを把握することをおすすめします。
QOLを大きく左右する要素は人によってさまざまですが、私は医師の立場から「目」「耳」「歯」「膝と腰」に着目しています。
年齢を重ねても、この4つの機能をできるだけ維持することがQOLを下げない生き方につながると考えているからです。
お金のことは気にせず、自分の納得のいく選択肢を選べるならそれに越したことはありません。しかし、多くの人は健康維持のために使えるお金には限りがあります。
そのとき、人生において自分の譲れないものは何か、逆に譲れないものを実現するために何ならあきらめていいと思えるのかを知っていなければ、何にどれくらいお金をかけていいかがわかりません。
自分の優先順位を知って、その順番にお金を使えるようになりましょう。