ストレスを抱えた生活で疲れがたまり、「いつも体が重い」「寝ても寝てもだるく、疲れがとれない」という方も少なくないのでは。医学博士で日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹氏いわく、「休むこと=寝ること」ではないそう。疲れとは何か・正しい休み方について、片野氏が著した『休養学』より一部抜粋してご紹介します。今回は、“休養”のために大切な交感神経と副交感神経について。交感神経は体を興奮させるアクセル、副交感神経は活動を止めて休ませるブレーキであり、そのバランスが大事とのことで――
交感神経と副交感神経はバランスが大事
なぜ交感神経と副交感神経両方のバランスがとれていることが大事かというと、強いアクセルを踏んだあと、弱いブレーキではなかなか止まれないからです。
つまり昼間エネルギッシュに活動したあとはしっかりブレーキを踏んで休まなければいけないのに、ブレーキが弱いと眠りが浅かったり緊張がほどけなかったりして疲れがとれなくなってしまいます。
逆もしかりで、交感神経のはたらきが弱いと、アクセルが弱くてあまりスピードが出ていないのにブレーキを踏んでばかりいるようなもので、ほとんど前に進めません。
つまり活動的になれず、いつもだるくて元気がない状態になってしまいます。これも一種の「疲れ」でしょう。
交感神経のはたらきがもっと弱くなると、循環器系の調節がうまくいかなくなり、起立性調節障害という病気につながることもあります。
これは若い人や子どもたちに多い病気で、朝、目がパチッと開かないし、なんだかシャキッとしない。なかなか立ち上がれないし、立ってもフラフラしてしまいます。
したがって交感神経と副交感神経はどちらも同じくらいのパワーがあるのが望ましく、どちらかが優位になりすぎないよう気をつけることが大事です。それが疲労の予防にもつながります。
自律神経の乱れ方は、次の4タイプに分かれます。疲れ方の4タイプといってもいいでしょう。自分はどのタイプか、次ページ以降の解説を読みながら考えてみてください。
【A】アクセルもブレーキもばっちりな「バランス良好タイプ」
【B】ブレーキがききにくい「がんばりすぎタイプ」
【C】アクセルがききにくい「だらだらタイプ」
【D】アクセルもブレーキもきかない「ぐったりタイプ」