大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。ドラマの放映をきっかけとして、平安時代にあらためて注目が集まっています。そこで今回「道長の娘・彰子の生涯」について、『謎の平安前期』の著者で日本史学者の榎村寛之さんに解説をしてもらいました。
藤原彰子の入内
現在、お休み期間中の『光る君へ』。
6月30日放送回の「いけにえの姫」では、まひろが佐々木蔵之介さん演じる夫・宣孝とすれ違っていくなかで、道長と再会してしまいました。やきもきしながら次回放送を待っている方も多いことでしょう。
一方でその道長は、安倍晴明の助言に従い、嫌々ながらその娘・彰子を一条天皇に入内させることを決意しました。
史実から言うと、その彰子は入内から10年を経て、一条天皇との間に初めての子〈後の後一条天皇〉をもうけることになります。
入内から10年とはかなり長い期間に思われますが、その間、彰子と一条天皇の結婚生活はいかなるものだったのでしょうか。
今回はそれについて記したいと思います。