(写真提供:Photo AC)
「とくに病気はないのに体がだる重い」「午後になるとどっと疲れが」「睡眠時間を確保しているのに眠気がひどい」…。原因がよくわからないながら、こうした心身ともに冴えない症状を訴える人が増えていると糖尿病をはじめとする生活習慣病・肥満治療のためのクリニックを東京・銀座で開業する牧田善二先生は言います。一方で多忙な名医ほど「食事」を活用して疲労回復しているそうで――。今回、先生の著書『疲れない体をつくる最高の食事術』から一部引用・再編集してお届けします。

高血圧を軽視してはいけない

糖尿病の合併症以外で、腎臓を悪くする最大の因子は「高血圧」です。

高血圧と慢性腎臓病に関する研究は世界中でなされており、血圧が高くなれば腎臓が悪くなることがはっきりと証明されています。

しかも、「ちょっと高め」くらいの軽度の高血圧でも、確実に悪影響を及ぼします。

ところが、高血圧も糖尿病と同様、健康診断で指摘されても多くの人が放置しているのが現実です。

高血圧症の診断基準として、上の血圧(収縮期血圧)が150あれば要注意です。しかし、それくらいではつらい症状も出ません。

ですから、「病院に行けば薬を飲めと言われるだけだ」「降圧剤は一度飲み始めたらやめられないと聞いた」などと理由をつけて治療を受けようとしないのです。

それでも、内心は気にしている人もいて、私もときどき「高血圧を放置していると脳の血管が切れたりしますか」などと聞かれます。

しかし、高血圧で心配すべきはそこではありません。上の血圧が150くらいあっても、そう簡単に血管は切れません。

でも、腎臓はやられます。しかも、「ちょっと高め」くらいでやられます。