「自分の意思を表明することを怖いとはまったく思っていません。言っちゃダメなことって、僕はないと思うんですよね」(撮影:木村直軌)
個性的な髪形に印象深い役柄。「クセメン俳優」として注目を集める坂口涼太郎さんは、ダンサー、シンガーソングライターとしても活動中だ。現在は、フジテレビ系ドラマ『ビリオン×スクール』に、山田涼介(Hey!Say!JUMP)が勤務する学校の教師の1人、溝口信雄役でレギュラー出演している。ファッションやメイクで先鋭的とも見られる自己表現を続けながらも、自然体を貫く彼の想いとは――(構成=大内弓子 撮影=木村直軌)

前編よりつづく

僕がメイクをしても誰の迷惑にもならない

ファッションやメイクで自分を表現するようになってから、言葉でも自分の考えを伝える機会が増えてきました。そもそも小さい頃から「なんでこれが普通とされているんだろう」とか違和感がいっぱいあって、ジェンダーや平和について友人と話したりしていたんです。

ただ、お芝居には自分がこの社会に対して願っていることがけっこう表現されているので、それで満足しているところがあったんですよね。

その頃出演した、政治の世界を描いた『罠の戦争』というドラマは、まさに現代の日本を舞台にした話で、この社会は自分たちで変えられるんだということが描かれていた。

出演しているうちに、どんな想いで演じているのかを知ってほしいという気持ちが強くなって、SNSで発信を始めました。するといろんな反応が返ってきて、さまざまな考えを知ることができた。

自分の意思を表明することを怖いとはまったく思っていません。言っちゃダメなことって、僕はないと思うんですよね。