総務省の発表によると、2023年の70歳以上人口の割合は23.2%だったそう。約4人に1人が70歳以上であるなか、70歳を迎えたエッセイストの中山庸子さんは「したくないことや嫌いなものを明るくやめれば、新しい幸せが作れる」と語ります。そこで今回は、中山さんが「これってやめていいんじゃない」を100個ピックアップした著書『やめると人生ラクになる 70歳を越えたらやめたい100のこと』の中から一部を抜粋してご紹介します。
硬くて重い靴
柔らかくて軽い靴なら歩くのも好きになる
歩けることのありがたさ、というか歩けなくなることのつらさは、母の介護でつくづく感じたので、歩けるは私にとって「やめたくないこと」の筆頭。
そこで、すぐに脱ぎたくなったり乗り物に頼りたくなる、硬くて重い靴はすべて「やめる」ことにしました。
今までは、靴を処分するときも、流行やデザイン、色とかを考えて……なんて感じだったから、なかなか減らせなかった。
ところが、硬いや重いなら、触って持ちあげればすぐに分かるから、とってもラクに決められます。
靴の外見にまどわされず、「硬くて重い靴」には何の未練もないし、正直「そこそこいい値段だったから」くらいでは、引かれる後ろ髪もありません。
もし一瞬「もったいない気分」の波が寄せてきたとしても、「そのたびにタクシーになっちゃったら、かえって高くつくかもよ?」と、自分に切り返しちゃえばいい。