近年の研究で、脳と腸の密接な関係「脳腸相関」が解明されるなど、腸への関心は高まるばかりです。消化器専門医である江田先生いわく、海藻は腸内細菌に優れた影響を与え、健康効果につながるとのこと。そこで、料理家の井澤さんによる、さまざまな海藻をまるごと使えるレシピ本『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』より、一部抜粋してご紹介します。今回は、海藻がもつ植物性たんぱく質の効果と、ミネラルを豊富に含んだ昆布による美味しいだしの取り方について。今回は、もずくについて。もずくが持つ魅力とは――(取材・文/川越光笑、撮影/宮濱祐美子)
もずくの名前の由来は…
ほかの海藻に付着して成長することから「藻付(もづ)く」と呼ばれるようになったのが名前の由来。海藻のほか、岩に着生する品種もあります。
ヌメリがあってやわらかく、生で食べられるのが特徴です。
現在、一般的に市場に出回っているのは、養殖のオキナワモズクがほとんどですが、「もずく」や「太もずく」と表記されることが多いよう。
さらに、絹糸のように繊細でなめらかな「細もずく」、希少な天然の「岩もずく」もあります。
ヌメリ成分である多糖類のフコイダンの含有量は、藻類の中でもトップ。
フコイダンは血液中のコレステロールを取り込んで排出し、動脈硬化や高血圧のリスクを下げるといわれています。