(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
40代、50代は、更年期真っ只中。気力が落ちたり、体重がコントロールできなかったりするせいで「おしゃれが楽しくない…」と悩む方もいるのではないでしょうか。そんななか、「45歳から55歳は、おしゃれも少しスローダウンする勇気を持って」と話すのは、ファッションエディターやスタイリストとして活躍する大草直子さんです。そこで今回は、大草さんの著書『見て触って向き合って 自分らしく着る 生きる』から、大人のおしゃれのTIPSを一部ご紹介します。

「1着」の適正価格――その考え方

商品タグに記載された値段と、見えない理由や意味までを内包する価値。

誰が見ても変わらない値段の、価値を決めるのは実は自分だなあ、と思います。

週に何回使えるか、季節を超えて活躍するか、10年経っても愛は冷めないか。新品のときよりも、文字通り価値が上がるか――など。

例えば、レザーのライダースジャケット。バイクに乗るとき、風をよけ、万が一転んだときも、自分を守ってくれる素材とディテール。

実用にのっとったデザインであるから、決して古くなることはないし、基本、ニットや布帛(ふはく)は劣化していくけれど、レザーだけは価値を増していくと信じている。

おろしたての今日より、10年後のほうが間違いなく格好いい。自分の体温で少し柔らかくなり、体のラインに合わせて角が取れていく。

だとすると、10年の価値を値段に映して良いのではないでしょうか。