(写真提供:Photo AC)
総務省統計局が令和6年9月に公開した「統計からみた我が国の高齢者」によると、65歳以上の人口が総人口に占める割合は、29.3%と過去最高だったそう。高齢化が進むなか、精神科医の和田秀樹先生は「今の高齢者をとりまく医療は<本当は必要がないのに、やりすぎている>可能性がある」と指摘しています。そこで今回は、和田先生の新刊『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』から、和田先生流・医療とのつきあい方を一部ご紹介します。

高齢者の活力をアップするたった50gの「肉」

ヨボヨボになりたくなかったら、タンパク質をしっかりとること。これは、よく知られるようになりました。実際、スーパーの食品売り場には、タンパク質を増強した乳製品や加工食品が増えました。

なぜタンパク質が必要なのか、おさらいをしておきましょう。

タンパク質は、内臓、筋肉、肌など人体を形づくる主成分です。タンパク質が不足すると、内臓の働きが衰え、筋肉が落ち、肌質も劣化します。免疫抗体、ホルモン、酵素など、人体をコントロールする重要物質の材料も不足してしまいます。

ご承知のように、高齢者は肺炎をこじらせて亡くなることが多いのですが(死因第5位)、若い人に比べて、肺炎が重症化しやすいのも、タンパク質不足による免疫力の低下が一因と考えられます。

一方、タンパク質をよく摂取する人は元気で長生きという印象がありませんか。

実際、元気な100歳以上の人100人に、「3日間の食事(計9食)」を記録してもらうという調査によると、900食(100人×9食)のうち、実に809食(89.9%)でタンパク質をしっかり摂取していました。