大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが人気を博す中、平安時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「后の地位」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
<后の地位>について
今回のドラマでついに譲位を決意した三条天皇(三条院)。
譲位の条件として東宮になった敦明でしたが、三条院の死で先行きに不安を覚え、自ら東宮を降りてしまいました。
それから1年後の1018年には彰子は太皇太后に、妍子は皇太后に、さらに威子は中宮となり、三つの后の地位をいずれも道長の娘が占める、という状況が生じました。
今回はこの<后の地位>について考えてみたいと思います。