47年のつきあいになるという渡辺えりさんと木野花さんは、演劇界をともに駆け抜けてきた同志であり、よき友でもあります。「婦人公論ff倶楽部」発足1周年記念のトークイベントでは軽妙で楽しいトークを披露。互いに対する敬意が、長きにわたって友情が続く秘密のようです(構成=上田恵子 撮影=本社・武田裕介)
「推し」が人生に張り合いをくれる
木野 演劇以外の楽しみで言うと、私はいまK-POPにハマってるのよ。といっても、去年からなんだけど(笑)。『赤い袖先』という韓国ドラマを観ていて、主役の子がとっても芝居がうまくて魅力的だったのね。誰なんだろう、と調べてみたら、アイドルグループ「2PM」のジュノだったわけ。
渡辺 木野さん、K-POPのファンなんだ。
木野 いまは「ファン」とか言わないで、「推し」って言うのよ。
渡辺 じゃあ、その「推し」ができて、生活は変わりました?
木野 私の生活に、音楽が入ってきたからね。毎日楽しいわよ。今日はどの曲を聴こうかとか、どのドラマを観ようかとか、ウキウキするから一人でも全然寂しくない。人が楽しい気持ちになるって、ものすごく簡単なことなんだとよくわかりました。
渡辺 韓国の俳優さんって、みんな芝居がうまいわよね。私も以前、『愛の不時着』のヒョンビンにハマって、韓国語を習い始めたの。
木野 え、習ってたの?
渡辺 そうよ。だって、いつか共演しようと思ってたから。そうしたら相手役の女優と結婚しちゃったでしょう。その瞬間に冷めちゃったね。
木野 結婚くらいさせてあげてよ。
渡辺 なにも相手役じゃなくたって。私のほうがいいんじゃないかな、と思ってずっと観てたのにさ。