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食材を長期保存する方法として、冷凍は手軽で欠かせない手段です。しかし冷凍すると「味が落ちる」「食感が変わる」といったイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?実は冷凍することで旨みが増し、美味しくなる食材もあります。その代表とされるのが、食卓の定番・キノコ類。今回は、キノコを冷凍すると美味しくなる理由と、冷凍する際の注意点をご紹介します。

なんでキノコは冷凍すると美味しくなるの?

キノコの美味しさの秘密は「グアニル酸」という旨味成分。しかし生のキノコではこの旨味があまり感じられません。グアニル酸はキノコの細胞が壊れ、加熱されることで初めて生成されるからです。

そこで効果的なのが冷凍。キノコを冷凍することで水分が膨張して細胞が壊れ、グアニル酸を作る酵素が働き始めます。さらに解凍して加熱すると、グアニル酸が増加。その結果、生のキノコと比べて旨味が約3倍にもなると言われています。

ただし、すべてのキノコが冷凍に適しているわけではありません。ブナシメジやエリンギは冷凍すると食感がやや変化するため、歯ごたえを活かす料理には不向きです。

ちなみに、しいたけを干すことで旨味がアップするのも同じ原理。乾燥によって細胞が壊れ、その後加熱することにより、生のしいたけに比べてグアニル酸がおよそ10倍にも増加するそうです。