デビューして48年、変わらずパワフルなステージをこなしている川中美幸さん。更年期に心身の不調に悩まされたことを機に、疲れやストレスをためない生活を実践している。2年前、思わぬ転倒による骨折を経験、より健康意識が高まって――(構成:上田恵子 撮影:宮崎貢司)
思いつきの行動で腰の骨にダメージが
2023年、自宅で転倒し、腰の骨を折る大ケガをしました。ことの始まりは、ふと「カーテンでも洗おうかな」と思いついたこと。普段しないことをしてみようとしたんですね。
わが家は天井が高めで、カーテンレールも高い位置についています。ちゃんと脚立を用意してカーテンをはずせばよかったのですが、その日は横着して、電子ピアノの椅子を踏み台にし、それでも少し届かなかったので、お行儀の悪いことに、隣にあった電子ピアノに足をかけたんです。
そうしたら、ピアノごとズデーンとひっくり返ってしまって。椅子で腰を強打し、テーブルに頭をぶつけ……。声も出せないほどの痛みに恐怖を感じて、「私はこのまま終わるのかも」と覚悟したくらいです。
手元にスマホもなく、誰にも連絡できなかったので、激痛に耐えながらしばらく動けずにいました。
たまたま、週に一度庭の手入れに来てくださっている方がいらしたので、驚かれつつもタクシーを呼んでもらって病院へ。