「精神科医になり、あまりに多くの人が、手が抜けないために、心の病に陥ってしまう現実を目の当たりにした」と話すのは、高齢者専門の精神科医・和田秀樹先生。そこで今回は、和田先生の著書『60歳からの「手抜き」の極意』から一部を抜粋・再編集し、<第二の人生を存分に楽しむための新提案>をお届けします。
長所を見せよう
もしも将来、今よりもっと年をとって足もとがおぼつかなくなったら、無理して自力で歩こうとするより杖を使いましょう。音が聴こえにくくなったと思ったら、補聴器を使えばいいし、トイレが近くなったらオムツを使えばいいのです。
できなくなったことを認めたくなくて、なるべく頼らないようにしようとするより、便利なものを上手に受け入れられる人の方が現役でいやすいのです。
不便を解消してくれるグッズはいろいろとあるので、何かができなくなることをあらかじめ恐れすぎる必要はありません。
自分の欠点ばかりに目が向いて、それを直さなくてはいけない、人から見られて恥ずかしいと思う人が多いのですが、他人はそれほど見てはいません。