骨密度チェックとトレーニングが重要
腰曲がりは早期発見・早期対策が肝心。まずは自分でできる簡単な「背骨曲がりチェック」(下図参照)を試してみましょう。すでに腰曲がりが始まっていたとしても、軽度のうちならリハビリやセルフトレーニングで改善することが可能です。まだ兆候がみられない方も、骨と筋肉の状態を整え、しっかりと予防していきましょう。
具体的な対策としては、まず、閉経したら年に一度は骨密度を測ること。無料で簡易的な骨密度検査を行っている自治体もあります。ただ、簡易検査では大腿骨と背骨(腰椎)の骨密度がわからないので、一度は整形外科に行って測ったほうがいいでしょう。
骨粗しょう症の検査という名目での保険診療も可能で、血液検査で骨の代謝(作られる速度と壊される速度)のバランスもわかります。
検査の結果、もし骨粗しょう症の傾向があるようでしたら、骨折を防ぐために、投薬による治療を開始しましょう。現在は治療薬の種類も増え、進行度に応じて、さまざまな選択肢があります。
また加齢による腰曲がりの予防には、生活習慣の改善が重要です。もっとも気を付けたいのは日常の姿勢。とにかく長時間の前傾姿勢は禁物で、たとえば農家の方など、前かがみの姿勢を余儀なくされる職業の方は腰曲がりのリスクが高まります。そういう方は、なるべく意識して正しい姿勢(お腹を前に突き出し、頭と胸を垂直に立てる)を保つ時間を、定期的に作るようにしましょう。
筋肉量にも注意が必要です。年を重ねると身体全体の柔軟性が失われ、筋肉が縮こまりがちになります。その結果、血流が悪くなり、筋肉が減少してしまうので、軽い全身運動を毎日の習慣に取り入れ、血流を良くしていきましょう。おなじみのラジオ体操やテレビ体操は非常によく考えられた全身運動です。