左から 大石静さん、中園ミホさん、残間里江子さん
左から 大石静さん、中園ミホさん、残間里江子さん
「人生100年時代」と言われる現代において、生きる指針をどう求めたらよいかについて語り合う、残間里江子さんがナビゲーターを務めたイベント「トークサロン」(主催 株式会社 キャンディッドプロデュース)が、2025年11月11日に開催されました。そのセッション4では、脚本家の 大石静 氏 と 中園ミホ 氏 が登壇し、「しあわせな人生」をテーマに率直なトークを繰り広げました。お二人はそれぞれ幸福観が対照的で。大石さんは人生を「長期悲観主義」と表現し、幸せはむしろ希少な瞬間であると語り、一方、中園さんは「短期楽観主義」を掲げ、困難の後にも必ず良いことが訪れるという前向きな人生観を示しました。大石さんが「再び結婚は望まない」と語る一方で、中園さんは「いつか結婚してみたい」と未来への希望を語るなど、人生観の違いと魅力があふれる率直なトークの一部をお届けします。
(構成:丸山あかね)

朝ドラは修行

残間 里江子(以下残間) さて今日のトークのテーマは「幸せな人生」ですけれど、お二人とも素晴らしいご活躍ぶりですね。最近のところでは大石さんはNHK 大河ドラマ『光る君へ』、それから『しあわせな結婚』を、中園さんは朝の連続テレビ小説『あんぱん』を手掛けられて。一種のブームになったご自分の作品、たとえば『光る君へ』についてどんな風に感じてますか?

大石 静(以下大石) 良い思い出ではありますけれど、私が書いた脚本をスタッフやキャストが料理して、作品はそれを受け取ったお客さんの中に生きているわけで、出し切ったあとというのはそんなに懐かしいということはないですね。

残間 時差がありますよね。作っている時の葛藤があって、それを作品として発表して、そこで自分の人生と攪拌してとなると。

大石 大河は準備期間も含めると3年半くらい関わっていましたから、ずっと平安時代に生きていた感じです。何も知らなかった1000年前のことを知り、紫式部の反骨精神に触れたことは、私の血となり肉となったと思ってます。

残間 中園さんはどうですか? 『あんぱん』が終わって。

中園 ミホ(以下中園) 脱稿直後は、大好きなお酒を飲みながらダラダラしてました。

残間 執筆中は飲んでなかったんですか?

中園 そうなんですよ。夜型人間なので、執筆を終える明け方頃に缶ビールを1本だけ飲んで、朝ドラを観てから寝るみたいな。私としてはかなりストイックな生活をしていました。その反動で7月に脱稿して、8月、9月と遊んじゃいました。

残間 次の仕事も当然あるんですよね?

中園 はい。実はすでに締め切りを超えているんですけど。(笑)

残間 平気でいられるタイプですか?

中園 平気ではないですが、なかなか締め切りが守れません…。でも朝ドラはそんなこと言っていられないんです。200人くらいのスタッフを困らせてしまうので、自分らしくもなく締め切り通りに入稿していました。

大石 朝ドラって100メートル走に毎日挑んで全力疾走する感じなんですよ。大河のほうがスケジュール的には楽なんです。脚本の量はほぼ同じですが、大河は1年で放送する、朝ドラは半年で放送するということなので、倍のスピードで書くことが求められるので。

残間 朝ドラの放映時間は15分だけど、月曜から金曜まで毎朝だし、1回ごとに山場を作らないといけないしね。

中園 朝ドラは修行ですね。前回の朝ドラ『花子とアン』の時もそうでしたけど。

残間 慣れるということはないのですか?

中園 2人お子さんのいるお母さんが、2回目の出産の時は、もう体験してるから一人目の時より楽かと思っていたけど、陣痛が来た時にいやいやこんなもんじゃないとわかるだけに辛かったと言いますよね? まさにそんな感じです。