『光る君へ』の主人公・まひろの若き日はオリジナル?

残間 大石さんはさきほど『光る君へ』の時は構想から準備期間も含めて3年半くらい取り組んでいたと。結果としてご自分の中に何が残りましたか?

大石 戦のない時代ですが、内裏の中の権謀術策はすごいあるんです。足の引っ張り合いがあったり、騙し合いがあったり、天皇を早く退位させるためのクーデターがあったり。そういう政治的な動きは現代と同じです。政治というのはそういうもので1000年前から変わらない。人間は全く成長していないのだ、と思いました。

イメージ(写真提供:Photo AC)

残間 まだ書き始める前に、世の中の人が知ってる関ケ原の戦いみたいなものがないし……と躊躇われていたという記憶があるんですけど、時代的なことは自分流の解釈でいいと決意したわけですね?

大石 たとえば戦国時代なら信長は本能寺で死ぬんだってことは決まっているし、関ケ原の戦いは家康が勝つんだってわかってます。だけど平安時代のことはあまりわかっていないし、紫式部に関しては生没年さえ不明で、資料もほとんど残っていません。なので、資料が残っていない所を、オリジナルの物語として創作していけばよいのだな、とは思いました。決意したというより、開き直った感じですね。

残間 紫式部は謎の人物で。

大石 後半は『紫式部日記』というのがあるんですけど、若き日についての資料はまったくないのです。歴史考証の先生も、わからない所は、大石さんの好きにやったらいいですよっておっしゃって下さったので、かなり自由にやれました。