日中関係の緊張が高まっている現在ですが、中国ウォッチャーとして知られる講談社特別編集委員・近藤大介さんは、「中国及び中国大陸の民との葛藤の多くは、相互の理解不足から起こっている」とし、まずは「ほんとうの中国」を知ることから始めるべきだと語ります。そこで今回は、近藤さんの著書『ほんとうの中国 日本人が知らない思考と行動原理』から抜粋し、中国社会の実態をお伝えします。
消えた大富豪
以下に記したのは、米『フォーブス』誌が発表した2015年の中国の長者番付ベストテンである。
彼らが10年後の2025年にどうなっているか?
<『ほんとうの中国 日本人が知らない思考と行動原理』より>
トップの王健林氏は表舞台から去り、「万達帝国」は崩壊、この10年で2000億元(約4兆円)近くが消えた。2位の馬雲(ジャック・マー)氏も経営の第一線を追われ、アリババは6分割された。5位の王文銀氏は「世界の銅王」と仰がれたが、無謀な投資を重ねたのと粉飾決算が明るみに出て、「正威帝国」崩壊への道を転げ落ちた。
8位の許家印氏も「広州の皇帝」と呼ばれたが、コロナ禍の不動産バブル崩壊で「恒大帝国」は8分割され、本人も監獄へ送られた。アジアチャンピオンに二度も輝いた傘下のプロサッカーチーム「広州恒大」も、2025年1月に消滅した。そして10位の丁磊氏も、2024年秋までにひっそりと経営から退いた。