現在発売中の『婦人公論』2026年2月号の表紙は、歌舞伎役者の坂東玉三郎さん。2025年を振り返り、充実した一年だったと話す玉三郎さん。演出と主演を務めた、新作歌舞伎『火の鳥』への思いは――。発売中の本誌から、特別に記事を先行公開いたします。(撮影:岡本隆史 構成:篠藤ゆり)
充実した一年
2025年を振り返りますと、おかげさまで忙しいときもありましたが、いくつかの挑戦が実を結び、充実した一年を過ごさせていただきました。
たとえば、5月に行われた八代目尾上菊五郎襲名・六代目尾上菊之助襲名披露公演では、『京鹿子娘 道成寺(きょうかのこむすめ どうじょうじ)』の三人花子という演目に私も加わらせていただきました。
最近は体力的なこともあって、道成寺を私一人で踊ることができなかったのですが、せっかくのおめでたい舞台ですから出演させていただくことになりました。次代を担う若い方と一緒に、再び花子と向き合うことができて、とてもうれしく思いました。
そして8月には、私が演出と主演を務めた、新作歌舞伎『火の鳥』をお披露目させていただきました。不死の命を求めて伝説の不死鳥を捕らえようとする二人の王子と火の鳥の壮大な物語で、火の鳥は人間に「永遠とは何か」を伝えます。
古くはギリシャ神話やロシア民話、バレエの名作にもなるなど、洋の東西を問わず紡がれてきた「火の鳥伝説」をぜひ歌舞伎座で上演したい、と数年前から構想はありました。
