経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「「高額療養費」の負担増で、私たちの健康は?」です。(イラスト:さかがわ成美 「婦人公論」2026年6月号より掲載)
「高額療養費」の負担増で、私たちの健康は?
8月からはじまる「高額療養費制度」の上限額引き上げで、制度利用者の約8割が負担増になりそうです。
高額療養費制度とは、保険適用の治療や薬の費用が高額にならないよう、自己負担額が一定額以上増えない制度。
たとえば、年収600万円の会社員が病気で月100万円の治療を受けると、自己負担は3割なので30万円ですが、「高額療養費制度」を使うと8万7430円に。しかも、4回目からは月4万4400円に減額されるので、半年間入院し毎月100万円の治療を受けても、自己負担は最大でも40万円弱で済みます。
この制度の上限額が、8月から段階的に引き上げられるのです。年収、年齢で変わりますが、前述の年収600万円の会社員の場合、最終的に今よりも月に最大1万7400円の自己負担増に。年収700万円なら、月最大2万9290円。通院治療をする70歳以上(年収150万円から約370万円)は年最大7万2000円と、もっとも負担が増えます。
高額療養費制度については、1年前に石破内閣が上限額を引き上げようとした際、がん患者など多額の医療費がかかる人を中心に反対の声が巻き起こり、「私の判断が間違いだった」と首相自ら謝罪して引き上げを凍結しました。高市首相もまた、昨年秋の総裁選までは引き上げに反対だった。
しかし、首相になった途端に言を翻し、自民党が圧勝したことで有無を言わさず8月からの大幅な引き上げを決定してしまったのです。

