イラスト:ナツコ・ムーン
厚生労働省2025年度の調査によると、介護サービスを受給している人は全国で約578万人。訪問介護サービスでは、要介護1では「生活援助」(48.4%)、要介護5では「身体介護」(92.9%)の利用が最も多く、要介護状態区分が高くなるに従って「身体介護」の利用割合が多くなっている。
大切な人を思う気持ちは同じでも、時に理不尽さに見舞われて絆が引き裂かれそうになることも――。清水祐子さん(仮名・愛知県・会社員・53歳)は、介護サービスについてきちんと知っておかなくてはならない、と痛感した出来事があったそうで……。
大切な人を思う気持ちは同じでも、時に理不尽さに見舞われて絆が引き裂かれそうになることも――。清水祐子さん(仮名・愛知県・会社員・53歳)は、介護サービスについてきちんと知っておかなくてはならない、と痛感した出来事があったそうで……。
姪の結婚式へ出席するため準備万端整えたはずが
行政による介護サービスの内容をきちんと把握できている人は、いったいどのくらいいるのだろうか――。いざというときのために、きちんと知っておきたい。そう考えるようになったのは、実家で起きた出来事がきっかけだった。
70歳頃から認知症が進みだした父方の祖父は、80歳になったときにはすっかり体も弱ってしまっていた。そのため母は10年以上も毎日、食事の準備から排泄の介助、通院の付き添いまで、祖父の介護をすべてひとりでこなしてきたのだ。
家の中は常に母の足音がせわしなく響き渡り、学生だった私はその大変さを理解しようともせず、落ち着いて過ごせないことに不満さえ抱えていた。
このままでは私も介護要員にされてしまうかもしれないと考え、就職を口実にしてひとり暮らしを始めることにしたのだ。
祖父は穏やかな性格だったように思う。けれど、体が思うように動かないことへの不安や苛立ちがあったのだろう。時折、声を荒ららげたり、物を投げたりすることがあった。