厚生労働省が2026年に公表した「人口動態統計の速報値(外国人を含む)」によると、2026年1~3月の出生数は前年同期比0.2%増の16万3299人だったそうです。そんな中、東京大学大学院経済学研究科教授であり、ベストセラー『「家族の幸せ」の経済学』の著者でもある山口慎太郎さんは「昔から『早生まれ(1月~3月生まれ)』は学校生活で損をするといわれてきた」と語ります。そこで今回は山口さんの著書『「早生まれ」は損なのか―生まれ月格差の経済学』より一部を抜粋してお届けします。
スポーツ選手にみる生まれ月の違い
教育や仕事、さらには社会のリーダーとなる立場にまで、生まれ月の影響が及びます。では、身体的な能力が直接問われるスポーツの世界ではどうでしょうか。
東京農業大学の勝亦陽一氏、そして奈良女子大学の中田大貴氏、Sasano Nao氏の3人は、日本のプロスポーツ選手を対象に、生まれ月と活躍の関係を詳しく調べました(1)。
対象となったのは1993年から2018年までの25年間にわたるサッカー、野球、バスケットボール、バレーボールの男子プロ選手、合計7805人です。
研究チームはプロ選手の生まれ月がどのように分布しているのか分析しました。結果を見ると、特にサッカーと野球で顕著な傾向がありました。どの時点のデータをとっても、4月から6月に生まれた選手が多く、1月から3月に生まれた選手は少なかったのです。
たとえば1993年では、4~6月生まれが全体の35%を占める一方、1~3月生まれは15%に満たない状況でした。同じような傾向はプロサッカー選手でも確認されました。
(1)Sasano, N., Katsumata, Y., & Nakata, H. (2020) “Relative Age Effects in Male Japanese Professional Athletes: A 25-Year Historical Analysis.” Sports Medicine-Open.