(イラスト:おおつか章世)
脳出血や心筋梗塞になって突然倒れたりしたくない。そんな思いで血管の健康について、日頃から情報収集をしている方も多いのではないでしょうか。でも、その知識には、思い込みや勘違いも含まれているかも?血管のエキスパートに、基礎から最新情報までを教わります。(構成:野本由起 撮影:藤澤靖子)

血管年齢が若くても油断は禁物!?

私たちの体に張り巡らされた血管は、約37兆個もの細胞の代謝を司る人体最大の臓器です。動脈・静脈・毛細血管の3種類があり、心臓から出た血液は、動脈を通じて酸素や栄養を末端まで運び、毛細血管で細胞へ届けます。今度はそこで二酸化炭素や老廃物を受け取ると、静脈を通って心臓へと戻されます。この血液循環が、私たちの健康を支えているのです。

ですが、年齢を重ねるにつれ、血管は弾力性を失い、厚く硬くなっていく。これが「動脈硬化」といわれる現象です。

動脈硬化が進行すると、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、血管が破れる「脳出血」や「くも膜下出血」、心臓に血液を送る冠動脈が狭くなる「狭心症」、血管が詰まる「心筋梗塞」など、命にかかわる病気につながることも。

また末端の血流の低下に伴い、冷えによる肩こりや腰痛、体のだるさ、肌のくすみ、髪のパサつきなどの不快な症状も引き起こされます。「最近、肌のハリがなくなった」という人は、血管の老化が原因かもしれません。

老化の進行度の指標としては、「血管年齢」があります。これは、指先で測定される脈のパターンから血管の硬さを推定し、何歳相当にあたるかを算出した数値。しかし血管年齢が若いからと安心していると、隠れた危険を見逃してしまいます。