私は、血管年齢とともに血管内腔の滑らかさにも注目し、血液を正常に循環させる血管の機能を、「血管力」と定義しました。

血管力は加齢とともに低下しますが、喫煙、高血圧、高血糖、脂質代謝異常、メタボ、ストレスなどにより、低下は急速に進行します。つまりこれらの危険因子を遠ざけ、生活習慣を改善すれば、血管力をアップさせることも可能。

バランスの取れた食事や運動など、基本的な生活習慣の改善が、しなやかな血管を取り戻し、内壁を滑らかな状態に若返らせる第一歩です。

老化した血管を回復させる効果がある物質についての研究も進んでいます。まずご紹介したいのは、血管内皮細胞から分泌される「NO(エヌオー)(一酸化窒素)」。血圧を安定させ、血管内の傷やプラークを修復する効果があります。

「NO」を多く出す秘訣は、血流をよくすること。ウォーキングなどの有酸素運動や入浴はもちろん、椅子に座ったまま膝をまっすぐ前に伸ばし、つま先を前後に動かしたり、1分間正座したあとに足を伸ばしたりするだけでも血管が収縮・拡張され、「NO」が分泌されます。

また、近年私が注目しているのは、腸内細菌が生み出す「水素ガス」です。こちらも血流改善の効果があるうえ、老化を促進する活性酸素の発生を抑えてくれます。日々の食事に、食物繊維を豊富に含む野菜を取り入れるなどして、腸内環境の改善を心がけましょう。

ほかにも、血管力を高める生活習慣はまだまだあります。次ページから学んでいきましょう。