2020年に心不全で入院し、22年には手術も受けた辺見マリさん。完治は難しいという病と、心臓が止まるかもしれない不安を今も抱えながら再び歌い、踊る喜びを取り戻すことができた理由とは。(構成:篠藤ゆり 撮影:宮崎貢司)
「いい心臓」と褒められていたのに
体に異変が起きたのは、20年10月、70歳の時です。私は一人暮らしですが、娘のえみりの家にご飯を食べに行った際、なんだか食欲がない。そのうち、ふう~っとしんどくなって「ちょっと横になっていい?」と休んでいたら、娘が「お母さん、顔が土気色だよ」と。
そこで病院に行ってレントゲンを撮ったところ、お医者様から「肺に水が溜まっています」と言われ、入院することになりました。「じゃあ、家に荷物を取りに戻ります」と言ったら、「いえ、このまま入院です」。コロナ下でしたが、娘が荷物を届けてくれ、即入院しました。
告げられた病名は、「頻脈性心房細動と、それに伴ううっ血性心不全」。気が動転したのか、先生の説明をあまりよく覚えておらず……。とにかく、まずは肺の水を抜かなくてはいけないということでした。
利尿剤も処方されていたのか、入院中は夜中も1時間おきくらいにトイレに行っていたせいで、寝てるヒマもなく(笑)。おかげさまで数日で肺の水がなくなり、退院できました。
後から考えると、予兆はいくつかありました。1ヵ月くらい前から、娘の家に行く途中、息がはぁはぁと切れて心臓が時々タタット、タット、タタット……みたいにヘンな打ち方をする。いわゆる不整脈です。
それに、約1ヵ月で体重がなんと6キロも増えた。コロナの真っただ中でずっと家にいたせいで運動不足なのかな、と思っていました。でも、それにしては体重の増加が急激すぎます。実は肺に溜まっていた水の分、重くなっていたんですね。