日本の現在の税制における中核(基幹税目)は、所得税、法人税、消費税の3つであり、これらは『基幹三税』と呼ばれていますが、江戸時代の税の中核であった年貢についてどれくらいご存知でしょうか。歴史学者である渡辺尚志先生は「江戸時代は年貢抜きには語れない」と語ります。そこで今回は渡辺先生の著書『年貢-せめぎ合う江戸時代の領主と百姓』より一部を抜粋し、江戸時代の生活や年貢についてお届けします。
百姓一揆が起こる
過重な年貢賦課に対する百姓の抵抗形態として、誰もが思い浮かべるのが百姓一揆である。江戸時代の百姓一揆について、概観しよう(1)。
17世紀(江戸時代前期)には、過重な年貢・諸役の賦課に耐えかねた百姓は、離村して、より負担の軽い他領に転住したり、都市に移住したりした。こうした抵抗形態を逃散という。
また、大名領の村役人たちが結束し、村々の百姓たちを代表して、領主の非法を幕府に直訴することもあった。これを、代表越訴型一揆(全藩的越訴)という。
ここでの越訴とは、大名を飛び越えて、幕府に直接訴え出ることである。
(1) 青木美智男『百姓一揆の時代』校倉書房、1999年