経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「民営化前の貯金、忘れていませんか?」です。(「婦人公論」2026年9月号より掲載)
改正郵政民営化法が成立
「郵政民営化」から約20年。民営化されたにもかかわらず、また郵便局を公的資金で支える法律ができました。
2026年6月19日に成立した「改正郵政民営化法」には、郵便局を維持するために公金を投入することが明記されています。なんと、毎年650億円を投入するのだそう。ただし、法律に金額は明示されないため、この額が増えていく可能性はあります。
今から約20年前に、《聖域なき構造改革》を掲げた小泉純一郎元首相の目玉政策が「郵政民営化」でした。首相は、民営化すれば40万人の公務員が民間企業の社員として給料をもらうだけでなく、会社は法人税を支払うことになるのだから国の財政健全化に寄与すると言っていた。
けれど当時の郵政公社は独立採算で、確かに40万人近い公務員を抱えていたものの、国はその給料に1円も支払っていません。それどころか民営化前の4年間(03〜07年)に、郵政公社が国に納めた国庫納付金はなんと約9600億円でした。
つまり、国の財政に寄与する稼ぎ頭だったわけです。それなのに民営化がうまくいかず、郵便事業が立ち行かなくなり、再び公金で支えなくてはならなくなった。

