明治時代を舞台にトレインドナース2人の人生を描いてきた連続テレビ小説『風、薫る』。主人公の一ノ瀬りんを見上愛さん(25)、大家直美を上坂樹里さん(21)が演じている。看護師という職業の確立に貢献した大関和と鈴木雅をモチーフにしたバディドラマで、原案は田中ひかるの『明治のナイチンゲール 大関和物語』(中央公論新社刊)。りんは、直美とともに派出看護の会「恵風看護婦会」で働きながら、看護婦としての仕事に向き合ってきた。そんな中、一時は思いが通じ合ったが姿を消してしまったシマケン(佐野晶哉)と再会。女性が働くという選択肢がほとんどなかった時代、看護婦として自立を目指してきたりん。最終回に向けて、見上さんに作品やキャラクターへの思いを聞いた。(取材・文・婦人公論.jp編集部)
「看護とは何か」
<物語の後半は、派出看護を中心に描かれている。『恵風看護婦会』で働き始めたりんは、男爵家夫人の宮川佳枝(相田翔子)の家へ看護に行くように。リウマチを患う佳枝は在宅での闘病を望んでいた>
相田さんはすごくかわいらしくてキュート。それでいてものすごく品のある方で、佳枝さん役にぴったりだと思いました。リウマチ患者である佳枝さんは自分でできることがどんどん減っていきます。その怖さや、どうしたら前向きに生きていけるかを模索する佳枝さんの姿が、相田さんのお芝居によって説得力をおびたように感じました。
(『風、薫る』/(c)NHK)
派出看護は、患者さんの人生に寄り添っていくもの。りんも直美も、その人の人生を軸に、自分たちのやり方を押し付けないことが大事だと考えていました。佳枝さんや、直美が通う患者・平蔵さん(太田光)を通して派出看護に求められているものが見えてくるはず。りんも直美も悩みながらも、「看護とは何か」を考え続けていきます。
撮影に入る前、看護職は技術職という印象が強かったんです。でも、実際に養成所の撮影が始まり、自分が看護婦を演じたり、撮影やイベントで看護師さんとお話をしたりする中で、すごく心を使うお仕事だという印象に変わりました。りんと直美は派出看護に携わっていますが、病院に勤めているかどうかは関係なく、みなさん本当に一人ひとりにどんな看護をしたらいいかを考え続けている。看護師は病気を治すことはできないけれど、だからこそ、患者さんが前向きになれるように、これからの人生をよりよく生きていけるようにどうしたらいいかということを大切にしているお仕事だと思いました。