(撮影:清水朝子)
映画やドラマで多彩な役柄を演じている二階堂ふみさんが、このたび、戦後の日本に実在した12万人もの戦争孤児たちに光を当てた映画『わたしの知らない子どもたち』に出演。オリジナル脚本を書き上げた西川美和監督や子役たちと作品を作り上げる過程で、「多くの人に届けなくては」と感じた理由を語りました。(構成:篠藤ゆり 撮影:清水朝子)

<前編よりつづく>

戦争孤児となった女の子の視点

主人公は、学童疎開中に音楽家の父と母を空襲で失った12歳の茅野琴子。音楽への夢も奪われ、東京に戻ってからは、自ら髪の毛を切り、少年として生きることになります。

浮浪孤児たちと出会い、靴磨きをしたり、シケモクを拾って路上で売ったり。なかには身売りをして生計を立てる女の子も。

そして、闇市で浮浪児を統括している裏社会の大人がいました。でもそのおかげで、子どもたちは餓死しないですんでいる、という事実もあって。善悪だけでは割り切れない現実があったんです。

一方、私が演じる教師・曽根文美子は、戦争中に琴子の担任として軍国主義教育をする側に立ちます。でも、敗戦とともに婚約者も、立場も、信念も失う。困窮状態のなか、生まれてきた赤ん坊とともに生きるために米軍相手の売春宿で働き、女性としての尊厳も捨てざるをえなかった。

戦争に翻弄され、矛盾と葛藤を抱えたまま必死で生きる彼女は、被害者であると同時に加害者でもあるわけです。