節目の年に朝ドラ出演
<1996年北海道生まれ。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では源頼家を演じて話題に。近年は映画『ナミビアの砂漠』や『52ヘルツのクジラたち』に出演した>
朝ドラのオファーをいただいて、めちゃくちゃ嬉しかったです。『ブラッサム』のチーフ演出の盆子原誠さんは、僕の初めてのNHKドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』の演出もされていました。また盆子原さんに会いたいと思っていたところに、保役のお話をいただいたので、ご縁を感じています。
演出の中泉慧さんとは、『鎌倉殿の13人』でもご一緒したんです。演出の方もスタッフの方もこれまでに共に作品を作ってきた方々が揃っています。僕は今年の9月に30歳になったので、節目の年に朝ドラに出演することができて、これまで頑張ってきてよかったと思えました。
<珠のいとこである保は学業の成績も優秀、自然体な雰囲気が印象的な好青年。珠の結婚相手・木村享一の弟だ。初登場は第2週「父からの、解放」。色街に好きな女がいる享一は結婚後も毎晩出かけてしまう。困惑する珠に、実は享一の色街通いをやめさせるために縁談が組まれたと裏の事情を教えたのが保だった。口もきかない享一に耐え切れず、結婚3日目、珠が木村の家を飛び出した時、保は笑顔で送り出した。京都の第三高等学校に進学後、東京の帝大に進んだほど優秀で将来を嘱望されている人物だ>
保は頭が良くて、まっすぐ。すごく優しい人です。帝大生の役を演じるのも初めて。こんなにスマートな人物をどう演じたらいいのか悩みました。
盆子原さんに相談したら、「金子君のままでいい」と言っていただいたんです。それを聞いて、「木村保という役を僕に託してくれたということは、僕にある要素の何かがうまく芝居に出たらそれが答えじゃないかな」と思えました。
もともと、この人物はこうだから、と決めて演じることはありません。人間は矛盾やあいまいな部分があることが人間らしくて素敵だと感じています。だから、「保はこうだから」と演じるよりも、僕が感じたことをお芝居で出せばいいと考えていました。
保は人の心に寄り添える優しさを持っているのに、ちょっとした鈍感さみたいなものが出ることもあります。たとえば、珠が化粧をした時に気づかない。「ここでそれを言う?」みたいな発言をする時や、全く悪気がないまっすぐさが、少しずれた形で表れてしまう部分があります。
真面目に生きてきた保は、着実にひとつひとつを積み上げてきた人。珠は、享一と結婚して数日で逃げ出した。その大胆さに、保は「面白い人だな」と引っかかっていたのだと思っています。
珠のように自分の軸を持って人生を駆け巡っていく人は時代的にも珍しいですし、そういう姿に惹かれたのだと感じています。僕自身も、珠のようにちゃんと自分がある人は素敵だと思います。
保は喜怒哀楽がしっかりあって、喜ぶ時はすごく喜ぶ。そして、珠のことが本当に好きだということがお芝居を通して伝わるように心がけています。