青木さやかさんの好評連載「47歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、47歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」が話題になりました。第14回は「『ものすごく痛がった人』として」です。

出会いは10年前

先日、とあるご縁で、東邦大学看護学科の講演会にお招きを受け、拙いが熱のこもった講演をさせていただいた。(自分で言ってみました)

学部長の福島富士子先生との出会いは、産前産後、親子でお世話になった助産師さんからの紹介だった。

娘を出産したのは10年前だ。

この病院いいよ、と友人が勧めてくれた人気の産婦人科に、診察の予約を取るため電話して驚いた。その時、確か妊娠2ヵ月くらいだったのだが、もっと早く予約していただかないとこちらで出産は無理です、と言うのだ。「え、かなり早くお電話しましたが一体どのタイミングで妊婦さんは予約してるんですか?」と聞いたものの、無理なものは無理だ。

同じマンションのお母さんにその話をしたら「助産院よかったわよ」と言われ、見に行き、家庭的な助産師さんと院の雰囲気に、そこでの出産を決めた。

しかし、出産前の病院での診察により、少し不安があるので病院で出産をしましょう、となった。