101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活 のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「 簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがい っぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社) から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
<100歳の100の知恵 56>
『忙しい人は隙間時間に〈こまめ家事〉を』
40代から60代は、仕事と家事で、毎日目がまわるような忙しさ。
年末ともなると、原稿の締め切りやお正月の準備でさらに忙しいので、大掃除のためにまとまった時間を作るのは無理でした。そこで一気に大掃除をするのではなく、こまぎれの時間を利用して、少しずつ前倒しでやっていました。
たとえば食器棚は、「今日はこの段」と決めて食器を取り出して整理をし、敷紙を外して熱いお湯で絞ったタオルで拭いた後、アルコールで拭き、新しい敷紙に換える。明日は他の段、といった具合です。
部屋の掃除も「今日はこの引き出し」とか「今日はこの窓」と決めたところを進めます。
歳をとって体がきかなくなってから、この「こまめ家事」の習慣が存外役に立つことに気づきました。