「今日より明日、明日より明後日、より新鮮な自分でいたいから」(撮影=鍋島徳恭)
2022年2月4日放送の『徹子の部屋』に、女学生時代からの親友同士という女優の草笛光子さんと岸惠子さんが登場する。草笛さんはその若さと美しさ、貫録あるオーラで話題作に精力的に出演し続けている。『婦人公論』2021年11月9日号で映画『老後の資金がありません!』で姑を演じるにあたって答えてくれた撮影秘話を再配信する

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10月30日公開『老後の資金がありません!』で主人公の姑・芳乃を演じている草笛光子さんは、現在発売中の『婦人公論』11月9日号の表紙を飾っています。88歳の今も、女優として第一線で活躍を続ける草笛さん。年齢による肉体の変化に、やりきれない思いを抱いたこともあるそうで――。発売中の『婦人公論』から記事を掲載します。(撮影=鍋島徳恭 構成=篠藤ゆり)

「そのまんまで、あなたはおかしいですから」

映画『老後の資金がありません!』で、主人公の姑・芳乃を演じています。老舗和菓子屋の女将だった芳乃は天真爛漫で、かわいらしいと言えば聞こえがいいけれど、まわりに迷惑をかけても平気。浪費癖もあり、ちょっぴり困った面もある女性なの。

「どうやってこの役を演じたらいいんですか?」と監督に聞いたら、「変に演じないでください。そのまんまで、あなたはおかしいですから」と言われました。そのまんまでおかしい、だなんて。そんなことを言われたのは生まれて初めて。喜んでいいんだか、悪いんだか。(笑)

たぶん皆さんが「えっ!」と驚くような、おじいさんの扮装で登場するシーンもあります。シナリオを読んで、「これ、本当にやるのぉ?」と思いましたもの。

いざ本番という段になって、実は差し歯が1本落ちちゃって──。これは困ったなと思ったら、監督が「おぉ! 映画の女神様が降りてきた。ぜひ、そのままでお願いします」。ひどいわよねぇ(笑)。でも、「いやだぁ」なんて言いながらも演じ切りました。

役者というのは、やっぱり「扮する」ことが嫌いじゃないのね。結果、歯が抜けたまんまの顔でスクリーンに大写し。あの姿が皆さんの目に焼き付いたら、これから仕事が来なくなるんじゃないかしら。(笑)