介護破産が起こる原因は4つ

さて、介護破産は、どうして起こるのでしょうか?
以下に整理して説明します。

【1】施設利用料の見積もりに問題があるケース

施設側も入居希望者に利用料などを提示して、入居者に支払い能力があるかどうか、審査をするところが一般的です。ところが、それでOKが出て入居したのに、資金がショートしてしまい、退去した例があるのです。

施設が提示する料金は、あくまでも居室代、食事代といった基本利用料です。それ以外にかかる料金を詳しく説明してくれる施設もありますが、そうではない施設も多々あります。介護ビギナーの本人や親族にとっては、基本料金以外にかかる費用など思いも付かないものです。

先ほどのような介護ビギナーの方が、「利用料は毎月15万円です」と言われ、それがすべてだと思い込んだとします。15万×12ヵ月=年間180万円と見積るものですが、仮に別途5万円がかかるとなれば、(15万円+5万円)×12ヵ月=年間240万円となり、60万円の誤差が出ます。これが5年間入居となると300万円の誤差が生じます。

それだけではありません、介護度合いが進めば、スタッフの手を患わせることが増えますし、通院や入院する可能性もあり、施設利用料も上がり、介護・医療費が加算されます。そうなると、誤差は年間で数十万以上に広がっていく可能性があります。