女性で初めて、「究極の悟り(サマディ)]に達し、世界に2人しかない「ヒマラヤ大聖者」となった相川圭子さん。世界の平和のために、日本だけでなく各国で研修やスピーチを行っています。これまで多くの人々に癒しや愛を届けてきた相川さんが、初めて自身の人生について振り返り、ヨガの母と呼ばれるに至った経緯、思いを語ります。
(構成◎丸山あかね 写真提供◎サイエンス・オブ・エンライトメント)
(構成◎丸山あかね 写真提供◎サイエンス・オブ・エンライトメント)
ヨガに対する世の中の偏見を超えて
私がヨガを始めたのは、日本で第一次ヨガブームが起きた1970年代より前のこと。今でこそヨガはポピュラーになりましたが、当時はどんなものか知らないという人がほとんどだったと思います。
その後も、ヨガはブームと低迷期を幾度も繰り返してきたようです。80年代から90年代半ばにはファッショナブルなスポーツとして若い女性の間で人気を博します。私がヨガに出会ってから25年も経った後のことですが、95年にオウム真理教が地下鉄サリン事件を起こし、教団がヨガを推奨していたこともあり、よくないイメージがついてしまいました。
「肉体の中にある神秘的なパワーで肉体や心のバランスを整える」といったヨガの深遠な理論が、誤った欲の心、エゴの心を持つ人に利用されました。マスコミは「ヨガは人を洗脳する、悪い宗教なのではないか」と扱い、人々の間にも「ヨガや瞑想が悪い」という間違った情報が広がっていったのでした。
私は10代の後半にヨガと初めて出会った時から、しっくりくるものがありました。ヨガによって体の歪みを取り除けば、胃や腸など内臓の働きがよくなる。自律神経が整い、ホルモンバランスも整う。それゆえに顔中にできた発疹も改善されるに違いないと。
実際には、ヨガに出会う前に食事療法や自然食療法、さまざまな民間療法なども行っていて、さらに保険会社のOL時代に行った断食でよくなっていったと考えています。当時、神奈川県にあった断食道場で、専門家の指導に基づいて3週間の断食に挑みました。胃腸を休めつつ、断食後にはお粥から始めて、栄養のバランスの良い食事を徐々に摂るようにしていきました。