放送作家・コラムニストとして、数多くの著名人にインタビューし、コメンテーターとして活躍している山田美保子さん。小さいころは引っ込み思案で話すことも苦手だったそう。そんな山田さんを変えたのは何だったのか。さまざまな出会いや、出会った人のアドバイスを通じて、今の自分があるという山田さんが、自分が楽になるコミュニケーション術を紹介する新連載。第13回は「離婚を決断した頃の話」です。
離婚の決心がつかなかった私の背中を押してくれた言葉
夫に離婚を迫られ、迷っていたとき、弁護士に言われた「仕方ない」の言葉。当時はつらかったけど、いまは前向きに使うことができる
「山田さんが別れたくなくても、御主人がどうしても別れたいって言うのなら、それは仕方ないじゃないですか」
29歳のとき、当時の夫から離婚を切り出され、なかなか決心がつかなかった私の背中を押してくれたのは、初めて会う若い男性弁護士さんのこの言葉でした。
彼を紹介してくれたのは、同じマンションに住む同い年の女性。たまたま共通の友人がいたことですぐに仲良くなりました。「離婚の相談で…」と申し出た私に彼女が最初に言ったのは「え? あんなにいつも一緒だったし仲が良かったのに? 嘘でしょ?」でした。
振り返れば、当時の私はこれと同じような言葉を何人もの友人から言われたものです。それほど離婚話は唐突。「そんなバカな…」という周囲の驚きは私にとっては救いになりました。そうでしょ? 私たちいつも一緒にいたよね? 仲も良かったよね? 私が離婚したくないっていう気持ち、みんなはわかってくれるよね? と思っていました。