圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第26回は「理想の暮らし」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
家電の三種の神器、一気に壊れる
先日、とても恐ろしいことがありました。
我が家の家電の三種の神器
テレビ、冷蔵庫、洗濯機が、一気に壊れました…。
こんな事ありますか??
どんな嫌がらせかと思いました…。
思えば、皆さんご長寿でした。
どれも宝塚にいた頃から使っていた物です。
ある日、退団が決まっていたご近所に住んでいた上級生の方に、
「りゅーちゃん、冷蔵庫いらない?」
と、お菓子のお裾分けかと思うほどの軽いトークで冷蔵庫を頂きました。
これぞ宝塚の「形見分け」です。
(宝塚の「形見分け」のお話は前回のエッセイをご覧ください。)
ギャップのある人に憧れていました。
バリバリの男役なのに裁縫が得意、
バリバリの男役なのに手先が器用、
中でも、料理が得意というのはかなり高いギャップポイントです。
そういう方、結構いました。
私はというと、
そのまま期待を裏切らない「男の手料理」でした。
料理人の娘でありながら、「料理は実験」と言ってるぐらいの腕前です。