貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。現在もアルバイトを続けながら、「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。ヒオカさんの父は定職に就くことも、人と関係を築くこともできなかったそうで、苦しんでいる姿を見るたび、胸が痛かったという。第18回は「夏休み格差について」です。
私にとっての「夏休み」のイメージ
「夏休み」と聞くと、どんなイメージが浮かぶだろう。
紐づくワードは行楽、帰省、観光など、心躍るようなものが多い。
しかし、少なくとも私にとっては、夏休みはいいものではなかった。
学生時代、学校は決して好きとは言える場所ではなかった。
でも、かといって家にも居場所はなかった。
エアコンがなく、真夏はとても暑い。
本をはじめ、ゲームなどの娯楽品はないに等しかった。
一方、友達の家は広く、漫画や最新のゲームなど、あらゆるものが揃っていた。
普段は友達の家によく遊びにいった。
といっても、片道10キロかかる家もあった。
ど田舎の過疎地であるため、校区がだだっ広いのだ。